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美しいものが大好きだった少女

 この写真は、2021年ジュピター定例会の『バイオグラフィカル・アドベンチャー〜わたしの誕生を祝う〜』というワークのために作成したコラージュです。炎天下に負けそうになりながらもひたすら歩き、母子像と出会って無事誕生を祝えた時は胸がいっぱいになった記憶があります。

 

 私は声楽家の父とオペラ歌手になりたかった母を両親に持ち、いつも音楽に満ち溢れた家庭で育ちました。夢見る少年・少女のような両親に育てられ、ゆらゆらとたゆたう空想好きな子どもだったと思います。そして美しいものが大好きな少女になりました。ところが両親は現実に目覚めていき、長女の私には芸術家でなく普通に育ってほしいと願うようになりました。夢を見ているだけでは暮らしていけないですから。一風変わった育ちをした私が、だんだんと普通を目指すようになります。やがて両親も祖父母たちも経験したことのないサラリーマン(公務員)になりました。

 

 私の公務員人生の大半は、企画、広報など管理的な業務でした。人を支える仕事がしたくて公務員になったのですが。ただ、44歳でバイオグラフィーワークと出会い、養成コースで学び始めた50歳頃には念願だった人を支える仕事に就くことができました。退職するまでの10年間は、バイオグラフィーの学びとともに私が最も私らしくいられた大切な時間でした。

 

 現在はシュタイナー幼稚園やフリースクールで、未来を担う子どもたちと過ごす日々です。美しいものが大好きだった少女は、時を経て再び美しい世界を生きています。バイオグラフィーワークは現在、過去、未来をしっかりとつないで、私にたくさんの実りをもたらせてくれました。

 感謝しています。

 

(vol.24▶椎谷 郁子/関東/8期

 

※次回は、山崎 禎子さん(関西/2期)のリレーコラムです。どうぞお楽しみに。